イラスト付で解説 旋盤の種類と違い、旋盤加工におススメの選び方|XMAKE

  • 2024/08/23

「旋盤」は生産現場でよく登場する工作機械ですよね。

旋盤は何種類があるの?どんな旋盤はうちの工場に最適か…というお悩みがありますか?

そこでこの記事は、旋盤の種類と違いなどの基礎知識をイラストに合わせて解説し、おすすめの選び方を紹介します。

CNC旋盤

引用元:https://store.cmz.com/en/

そもそも旋盤とは何でしょうか?

旋盤とは、加工物を回転させながら切削工具を当てて削ることで、円筒形の部品を加工する工作機械の一種です。

旋盤は金属加工、木材加工、プラスチック加工などに使用され、シャフト、軸、ねじ、ボルトなどの精密な円形部品を製造するために広く使用されます。

旋削加工

旋盤の種類をご紹介

旋盤にはさまざまな種類があり、加工する素材、部品の形状、精度、数量に応じて使い分けられます。ここでは、特に注目すべき4つのをご紹介します。

 

CNC旋盤

コンピューター数値制御(CNC)技術を用いた旋盤で、高精度かつ複雑な加工を自動で行います。

プログラムによる工具の動きを制御し、再現性が高く、短時間での大量生産が可能になることが特徴です。

コンピューターを使用することでプログラムの入力・修正が簡便で、複雑な形状の部品を高精度で大量生産する必要がある場合や、短納期での試作品作成に最適です。

自動車部品、航空機部品、電子機器の精密部品など多岐にわたり、金属やプラスチックなどさまざまな素材が加工できます。

CNC旋盤機械

 

NC旋盤

プログラムに従って自動で加工工程を行う旋盤機械で、自動化と精密加工を実現する特徴を持っています。

主に大量生産や反復作業に使用され、自動車部品や汎用部品の製造に使われています。

初期の数値制御方式で、制御がやや手動に近く、パンチカードなどを使用することが多かった。

nc旋盤

 

汎用旋盤

手動操作で幅広い加工が可能な旋盤として、設定や調整が容易で、多様な部品を加工できる柔軟性があります。

作業者の技術への依存度が高いので、精密な形状から単純な形状まで対応が可能です。

少量生産やカスタム部品の製作、修理作業などに最適で、初心者からプロまで幅広く利用されています。

汎用旋盤

 

タレット旋盤

複数の工具を装備したタレットを備えた旋盤で、工具交換の手間が少なくて、生産性の向上につながります。

NC制御によって複雑な形状の部品加工が可能ですし、タレットに様々な工具を取り付けられるため、旋削、穴あけ、ねじ切りなど多様な形状が加工できます。

自動車部品、家電、医療機器などの精密製品の加工におけるよく使われています。

タレット旋盤

 

各旋盤の違い一覧

項目 CNC旋盤 NC旋盤 汎用旋盤 タレット旋盤
制御方式 コンピューター制御 数値制御 手動/油圧制御 数値制御
加工精度 高精度 中精度 低精度 高精度
加工複雑度 高度な複雑形状 比較的単純な形状 単純な形状 高度な複雑形状
生産性 高生産性 中生産性 低生産性 高生産性
適用分野 航空機、医療機器など 自動車部品、汎用部品など 修理、試作など 家電、精密機器など
価格帯 高価 中価格 低価格 中高価格
設置スペース 大型 中型 小型 中型

 

旋盤の構造と名称、その機能を解説!

1.ベッド

旋盤全体を支える基盤部分で、他のすべての部品が取り付けられます。剛性が高く、振動を抑える役割を果たします。

 

2.制御装置

CNCプログラムによって動作を制御する装置です。操作パネルから加工プログラムを入力して、旋盤の各軸の動きを精密に制御し、加工の開始・停止を行います。

複雑な加工を自動で実行でき、プログラムの変更により異なる作業を柔軟に行う可能が特徴です。

また、エラー検出や自動補正機能を備え、加工の精度と効率を向上させます。

制御装置は、操作者の負担を軽減し、一貫した品質の製品を生産するために不可欠な要素です。

旋盤の紹介

出典:https://en.dmgmori.com/products/machines/turning/horizontal-production-turning/sprint/sprint-42-10-linear

3.チャック

ワークピースを確実に固定するための装置です。

通常、3つまたは4つの爪でワークをしっかりと掴み、回転させながら加工を行います。チャックはさまざまな形状のワークピースに対応可能で、精度の高い加工が求められる場面で重要な役割を果たします。自動調整機能を持つチャックも存在し、生産性を向上させます。

 

4.心押し台

加工中にワークピースを支持するための重要な部品です。

特に長いワークピースや、精度が求められる加工では、中心を固定することで、たわみを防ぎ、安定した旋削が可能となります。心押し台は工具の交換が容易で、多様な加工に対応できます。

 

5.刃物台/ツールポスト

切削工具を固定し、加工中に工具を正確な位置に保持する部分です。

特徴として、工具の交換が容易で、多工具を取り付けられるタイプもあります。

刃物台は、工具の精密な位置調整を可能にし、加工の精度を向上させる重要な機能を持ちます。

 

6.主軸

ワークピースを回転させるための中心的な部品です。

主軸は高い精度と剛性を持ち、安定した回転を提供することで、精密な加工を可能にします。

また、主軸にはチャックが取り付けられ、ワークピースをしっかりと固定します。回転速度の調整が可能で、様々な材料や加工条件に対応できるのも特徴です。

 

7.その他:バイト部

旋盤で使用される切削工具であり、ワークピースの表面を削り取るために使用されます。

バイトは硬度が高く、耐摩耗性に優れた材料で作られており、主に超硬合金や高速鋼が使用されます。

様々な形状があり、外径加工、内径加工、ねじ切り、溝入れなど、特定の加工用途に応じて選ばれるのが特徴です。

旋盤の各部位

ご用途に合わせた工作機械を選ぶ

加工部品のサイズに合っているのか?

小物加工には小型の卓上旋盤や精密旋盤が適し、高精度な加工が可能です。中物加工には中型の汎用旋盤やNC旋盤が適し、加工能力と精度のバランスが取れています。大物加工には大型の重切削旋盤やCNC旋盤が適し、大型の加工物に対応できる十分な加工能力と高出力、剛性を備えています。

加工対象のサイズに合わせて、旋盤の寸法、スピンドル能力、テーブル寸法などを選択することで、効率的で高精度な加工が可能になります。

どのくらいの部品精度が必要なのか?

高精度な加工が必要な場合は、NC旋盤やCNC旋盤を選ぶのが適切です。これらの旋盤は、コンピューターによる高度な制御が可能で、ミクロンオーダーの精度を実現できます。

一方、粗加工や簡単な加工であれば、汎用旋盤でも十分な精度が得られます。必要な精度に合わせて、適切な機能と性能を持つ旋盤を選ぶことが基本です。

目的形状の特徴は?

単純な円筒加工には汎用旋盤が、テーパ加工やねじ加工にはテーパ加工機能やねじ切り機能を持つのが適しています。

段付き加工やより複雑な形状加工には、タレット旋盤やNC旋盤、CNC旋盤が適しており、高精度な加工が可能です。
また、加工形状によっては、特定のドリルや治具が必要になることもあります。これにより、精度や仕上げのクオリティを向上させることが可能です。

単純な円筒加工、テーパ加工、段付き加工など加工目的を想定すると選びやすいかもしれません。

工業用?それぞれの生産性?

工業用量産の場合、自動送り機構や自動工具交換機能など、生産性向上機能を持つ旋盤を選ぶことで、作業効率を大幅に向上させることが可能です。

例えば、自動送り機構は複雑な加工を短時間で行えるため、手動操作に比べて大幅な時間短縮が期待できます。

また、自動工具交換機能を搭載した旋盤では、加工中の工具交換が迅速に行えるため、ダウンタイムを最小限に抑えることができるのです。

旋盤で切削加工

おすすめの旋盤加工機メーカーと機種

1.Haas Automation

おすすめ機種: ST 10Y
特徴: Haas Automationは、高品質なCNC旋盤で広く知られています。

ST 10Yは特に、産業用として非常に優れた柔軟性と剛性を持ち、高温安定性が高い点が特徴です。大量生産に適しており、コストパフォーマンスも優れています。

Haas Automation ST 10Y

画像出典:https://www.haascnc.com/machines/lathes/st/models/y-axis/st-10y.html

2.DMG Mori

おすすめ機種: NLX 2500 シリーズ
特徴: DMG Moriは、先進技術と精密なエンジニアリングで有名なメーカーです。

NLX 2500シリーズは、高い精度と信頼性を提供し、複雑な加工にも対応できるため、多くの産業分野で使用されています。ただし、価格はやや高めです。

DMGMORI旋盤

画像出典:https://en.dmgmori.com/products/machines/turning/universal-turning/nlx/nlx-2500

3.SYIL CNC Machines

おすすめ機種: SYIL X7
特徴: SYILは、コストパフォーマンスに優れたCNC旋盤を提供しており、小規模な工場や個人事業主にも最適です。

SYIL X7は、使いやすいインターフェースと精密な加工が特徴で、初めて導入する方にもおすすめです。

SYIL CNC Machines SYIL X7

画像出典:https://www.syil.com/x7

まとめ

旋盤には主に「CNC旋盤」「NC旋盤」「汎用旋盤」「タレット旋盤」の4種類があります。CNC旋盤は自動化で高精度な加工が可能で、NC旋盤は自動制御で簡易なプログラム操作できます。汎用旋盤は手動操作で多用途に対応し、タレット旋盤は工具交換が迅速で効率的です。加工する部品の種類や精度要求、操作の自動化の必要性を考慮して選びましょう。

旋盤加工なら、XMAKEに任せてください!

XMAKEでは、CNC旋盤を駆使してミクロン単位の精度で複雑な部品を加工します。小さな部品から大きな部品まで対応可能で、熟練の技術者が高品質を保証します。お客様のニーズに応じた最適なソリューションを提供します。

今日から新しいプロジェクトを始めましょう

  • アップロードファイルの機密性は確保しています。